題名:似る。

 

三日月がバナナ状にカーブを描き、さも美しく輝いて見える夜。

バナナを咥え、黒いマント一枚だけを身に羽織り、弓を手に握り締めて、ホウキを追って空を駆ける女が現れた。

地面も観覧車もない、足を乗せる所も体重を支える所もない空の上で、猛スピードで自在に空を飛び回るホウキを追いかける。

この薄暗い部屋の窓から見える外の景色が蜃気楼でなく、夢でもないとするならば。

私が見たその光景は、リアルと言っても差支えがないのだろうか。

もし、仮にリアルだとすれば、明日の夜もまた彼女を見れるのかもしれない。

私が午前0時半頃まで、目を開けていられればの話だが……。

彼女を見たのは2時間前の丁度午前0時、明日もまた0時ぐらいに現れるんじゃないかと推測していた。

これは、分析。頭と呼ばれる脳みそを使って弾き出した結論だ。

私はその結論に基づいて行動し、明日もまた同時刻に目を開けていられる状態を保たねばならない。

だが、それにはある一つの問題点をクリアせねばならなかった。

それは、寝不足だ。寝不足という名の精神的であり、肉体的苦痛でもある睡眠不足の事だ。

目をつむって寝ようとも、闇の中にバナナを咥えてホウキを追いかける彼女の姿がチラついてくる。

お嬢様学校に通っているような清楚な顔立ちをした彼女に微笑ましくなったりもするが、いつまでも飛び回られるとうっとうしく感じてくる。

つまり、ちっとも眠れやしない。

このままでは、私は徹夜する事になるかもしれない。

じゃあ、いっそ徹夜してやるか。

思えば、彼女が再び現れる予定時刻まで半日以上も残されている。

今寝ずとも朝から寝ておけば夜までには目が覚めると思う。

多分、覚めるはず……。

そう思い、体を押し潰していた布団を足ではねのけ、コンニャクゼリーの空袋が山積みにされた辺りを足で弄った。

部屋は少し汚い、掃除をした事がないから。だから昼でも暗いし、夜だともっと暗くなる。

袋の山を足で払い落とし、山の中に埋もれていたテレビのリモコンを指の間に挟んだ。

私は器用に足の指を曲げて物を掴む事ができる、これには特に理由はない。生まれた時から蛸足だったから。

柔道をする際有利とされている足の形ではあるが、生憎、私は高校の時剣道をチョイスした。

役に立つ時といえば手の届かない物を掴む時だけだ。

私は御自慢の蛸足でリモコンを体の方に引き寄せ、素早く手に持ち替えてリモコンの電源ボタンを押した。

押したが、つかなかった。強く押し直してみるも、なぜかテレビがつかない。

なぜだ……。

私は何かを思い出したように立ち上がり、振りかぶってリモコンをブラウン管へ投げつけた。

ぺチャ。

「あ〜〜〜!! そういや電気止められてたんだった〜〜〜〜!!」

リモコンが壊れていたんじゃない、電気を止められていたんだった。

いつからだろう、私がテレビを見れなくなったのは。

 

思い返すと2年も前から私はこの狭いワンルームマンションの一室に身を置いている。

父親から忌み嫌われ、藪医者から精神病と宣告を受けてしまい、無理やりこの小汚い部屋に押し込められた。

外に出ようともドアにはチェーンと南京錠が幾重にもかけられている。

金メッキに彩られた南京錠が、針の穴を拡大したような形を繋ぎ合わせたチェーンの束が。

外への道を塞ぎ、私の自由をも完全にロックした。

狭いし、暗いし、怖いし、臭い。

部屋中にコンニャクゼリーの袋が散乱して、ろくに足場の踏み場もない部屋。

ゴミを出したくても、ガチガチに固められたドアが嘲笑って私を寄せ付けない。

私はドアと目を合わさぬ為、ドアから離れた所に身を置く為。

毎日、窓から身を乗り出して外の景色を一日中眺める生活を続けていた。

だから、当然電気代も払っていない。

集金のモルモットと御対面できないのだから。

 

という事は、2年も前から見れなくなっていたということか。

昔はバラエティ番組通として近所でもチヤホヤもてはやされていたんだけどな。

はあ、昔の事思い出してたらなんだか疲れちゃった。

寝よ。

部屋の電気をつけたまま床に着いた。

 

空気抵抗が……すごい。

風を切って空を駆ける私を空気の波が押し返してくる。

もしかして、今の私ってバカみたいな顔になってるんじゃないだろうか。

空気圧で顔が引き伸ばされて、女の子なのに凄い事になってるんじゃないだろうか。

そんな不安を募らせながら、私は脱走したホウキを追いかけていた。

ホウキは魔女にとってのシンボル、ホウキを常に持たねばならないという古い仕来りまである。

他の魔女とは一線を画く天才魔女の私にとってはホウキなんていらないんだけどな。

魔女のホウキは特別製で意志を持って自由に動き回る特徴がある。

だから、魔法でホウキを制御しなきゃいけないんだけど。

魔法を強くかけすぎたらしく、ホウキが驚いて逃げてしまい、羊を追い立てる牧羊犬のように私は三日三晩ホウキと追いかけっこしていた。

私がいくら天才といっても三日も魔法をかけていれば、疲れもするし魔力も残りわずかしかない。

魔法を生み出す元となる魔力は有限であり、節度を持って使わないとすぐに絶えてしまう。

私はバナナを頬ぼってエネルギーを補給し絶えず魔力を切らせないようにしていた。

バナナは消化にも良く私の好物でもある。

魔女は好物を食べれば体内で勝手に魔力を自家発電できるのだ。

しかしバナナも底を尽いた、そろそろ新しいバナナを補給したい所だ。

魔女は人前に顔を見せる事は許されてはいるが、バナナを買う姿なんてとてもじゃないが恥ずかしくて見せられない。

プライドは保たねば魔女の威厳という者が薄れてしまうからだ。

何処か適当にバナナを持っている奴からかっぱらうのが手っ取り早いのだが、

何分まだ朝早いので人が少ない、どうしよ……。

ホウキを追うのを一旦止め、バナナを求めて空を駆けていると、一際人工的な青白い光を放った部屋が目に入った。

電球のワット数が物凄く高いのか、強烈な光線が私の目に刺さってくる。

魔女への手荒い歓迎とも取れる挑発的な部屋に妙に気が立ち、窓の方へと駆けていった。

 

――窓越しに見える部屋の中には一人のデブが腹をだして転がっていた。

天井には巨大な電球がいくつも取り付けられ、床に大量のバナナの皮が散乱しているだけの異様な部屋。

なんてデブだ、バナナを粗末に扱うなんて……。

私は好物のバナナが粗末に扱われたこともあって怒りに打ち震えていた。

恐らくこいつは、食っちゃ寝、起きては食べしてるだけの何も考えていない無能なデブだろう。

誇り高く不潔な物を嫌う私にとってこれ以上気分を害する者はない。

私は感情に身を委ね、背中に背負っていた矢筒から矢を取り出し弓を引いた。

矢は豆腐でも貫くかのように窓ガラスを貫通して矢じりは腹の肉へ浅く刺さったが、弾力ある脂肪の壁に跳ね返されて床に突き刺さった。

デブは何事もなかったかのように、でかいイビキを立てながら寝返りをうつ。

このデブ、矢が当たったのに起きないのか……。

私は鍵の開いていた窓を開け部屋の中に侵入し、幸せそうな顔をして眠りこくる醜い顔の前に立った。

「おいデブ。そろそろ起きろよ」

「……」

デブは鼻を膨らませて寝ている。

「おい! 起きろっていってるのが聞こえないのか?」

「……」

露出された腹をポリポリかいてまだ寝ている。

「無視してんじゃねえよデブ!!」

「うっ、うう〜〜〜ん!!」

デブは大きな寝言を吐いたがまだ眠ってる。

「もう頭にきた、魔法で無理やり起こしてやる!!」

「うっ、ううう〜〜〜ん!!」

デブの苦しそうな寝言を気に留めず、私は両手を天にかざして魔法の詠唱に入った。

魔女は独自の言葉の羅列を唱える事によって初めて魔法を使う事ができる。

イメージするだけで発動する簡単な魔法もあるにはあるが、このデブにはそんな生優しい魔法は使わない。

私が受けた屈辱を一気に晴らせるようなとっておきの魔法をかけてやる。

「アルサイナ〜シルカイラ〜リルルルルハ〜」

「ぐ、ぐ〜〜〜!」

「アルケリナ〜クルライラ〜ミリリリルハ〜」

「ぐ〜〜〜、ぐ〜〜〜〜!!」

「アルトルハ〜ミルケイラ〜エリリリルハ〜!!」

「ぐう〜〜〜〜! ぐう〜〜〜〜!!」

「アルマリア〜シルナイラ〜!!」

「ぐう〜〜〜! フゴッ!!」

「えっ、フゴッってなに?」

「あっ、しまった……」

ああ、このデブの寝言に気をとられて詠唱を間違えてしまった。

詠唱は一度間違うとまた最初からやり直さねばならない。

つまり、このデブの為にまた一から長々と詠唱してやらなければならないのだ。

それは何だか、魔女のプライドが傷つくな。

こんなデブ如きに再詠唱したなんて話が他の魔女に知れたりしたら一大事だし。

何があってもプライドだけは捨てずに守っていきたいしい、とっておきなんか使わなくったって別にいいさあ。

私は趣向を変え、別の簡単な魔法を唱える事にした。

「アルダイラ〜チルタイラ〜ギルルルルハ〜」

詠唱を終えると同時に無数の光の球がデブの体内に吸い込まれていき、肌を濃いピンク色に染め始めた。

この魔法は対象者自身に最も酷似する動物へと姿を変化させてくれる効果を持つ。

色の変化の具合から見て、恐らくブタに変化するのであろう。

無能なデブにはこれ以上ないぐらい相応しい動物だ。

デブはその形を徐々に変化させ、美しいピンク色の大きなトリへと姿を変えた。

「えっ、トリ……」

私は絶句した。

てっきりブタに変化するのとばかり思っていたから。

なぜだ、私の魔法は確かに成功したはずだ。

デブに最も相応しいのはブタのはずなのに、なぜトリなんかに変化したんだ。

まさか、このデブは鳥インフルエンザに感染していたのでは……。

私が混乱していると、横たわっていたトリ(デブ)が突然目を覚ました。

「クエ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「いや、まあ、トリだから鳴き声はおかしくないけどさ」

「クエ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「うるさい!!」

トリには私の言葉が通じていないのか、閑古鳥のように鳴き散らした。

ああ、何か頭痛くなってきたな。

朝早いっていうのにこんなトリに鳴かれたら御近所に迷惑だ。

いや、人が来たら私の存在がばれてしまう恐れがある。

姿を見られる事自体は許されているが、トリと一緒に部屋にいる姿なんて見られたくない。

全ては魔女のプライドの為、私は魔法を唱えて一時的にトリ語を話せるようにした。

このトリを沈めるには対話しか、考えを汲み取ってなだめるしか方法はない。

「おい、お前。何をそんなにわめいてるんだ?」実際にはクエーと喋ってる。

「いや、その質問はおかしいよ。それより窓を開けたのは君かな? 寒いんだが……」実際にはクエーと喋る。

「デブのくせに寒さ感じてんじゃねえよ」実際にはクエー。

「デブ? 私が? 何を言ってるんだ、大げさに言っても中肉中背といった所だよ」実際にクエー。

「どう見たってデブだろ! まあ、そんな事はどうでもいい。取り合えず鳴くの止めろ」実際クエー。

「鳴くというのは? 私は普通に喋っているんですがね。それよりお宅どちら様で?」クエー。

「いいから喋るのも止めろ!! 近所の人が集まってきちまうだろうが!!」クエ。

「言ってる事が良くわかんないんですけどその心配はないよ、鍵がたくさんついてるから絶対にドアは開けれないよ」ク。

「鍵? そんなもんついてないけど?」エ……。

私がドアの方を見て確認するが鍵など一つもかけられていないドアだった。

しいて言えば、木製でボロボロでキック力に自信のある奴なら蹴破れる程度のドアだ。

このトリ、いや、このデブの発言はどうもおかしい。

現実を見ていないというか、見えていないというべきか。

このまま無駄に話し続けても一方通行な会話になって解決しないだろう。

ここは魔法で記憶を読み取ってデブが好む人物を演じてやるか。

好きなタイプの女になだめられれば、こいつも少しは大人しくなるだろう。

あくまで魔女のプライドを守る為、私は対象者の脳の記憶を探る魔法を詠唱した。

「……チルルルルハ〜」

「クエ〜〜〜〜〜〜!!」

トリ語で話せる魔法は解けたか。

まあいい、しばらくこいつと喋ることもないだろうしな。

私はあぐらを組んで目をつぶり、デブの記憶をじっくり探り始めた。

 

闇、闇、闇。

目を閉じるとそこは闇だった。

目を閉じてるから闇なのではなく、デブの心が闇だったのだ。

闇は大概、過去に深い傷を負ったひきこもりや人生に希望がない奴などが良く表す色。

このデブもその類なんだろうか、私はデブの幼少の頃の記憶をさかのぼり始めた。

見えてきた、こいつの幼い時の記憶……。

「彰ちゃん、御飯できましたよ〜〜」

「は〜い、ママ〜。いま行きま〜す!」

デブが4歳ぐらいの時だろうか、母親らしき女と二人で食卓を囲み飯を喰らっている。

メニューはというと、ポークソテーか。幼い頃からデブである事を義務付けられていたのかもな。

「母さん、母さん、今日はサバの味噌煮なんだね〜!!」

「ちがうわよ彰ちゃん。これはポークソテーっていうの」

「ポークソテー? なにそれ〜? あははは〜」

どうやら頭は相当悪いようだ。ポークソテーとサバの味噌煮を間違うなんて。

私は少し時代を進め、デブの小学生時代の記憶を読み取り始めた。

「ちかよんじゃねえよ彰! お前、デブだから暑苦しいんだよ!!」

「そんな、僕太ってなんかないよお〜」

「はあ? どっからどう見てもデブじゃねえかバ〜カ」

「太ってなんかないよ! 絶対に違うんだい!!」

幼少時はそれ程気にならなかったが、小学生にもなると相当太ってきたな。

ポークソテーが腹にこたえのかも、それにしても現実を逃避しているのだろうか。

自分がデブであることをちっとも認めようとしないなんて。

これだけではまだ分からない、もっと確信に迫るような記憶を探らなければ。

私は一気に全ての記憶を読み取り始めた。

「あ〜、おっそいなあ。ママ早くバナナ持ってきてくんないかな〜。僕一人ぼっちでさみちいよお〜」

つい最近の記憶。マザコンなのか、全裸になったデブが今の部屋で己のナニをしごいていた。

気持ちを落ち着けようとか、他にやることねえんだよと言った思いが感じ取れる。

性欲を満たす為というよりかは、やり場のない怒りをナニにぶつけているような感じだ。

「彰ちゃん!! 遅れてごめんなさ〜い。今日もバナナ買ってきたからね」

「遅いよママ〜。僕、お腹ペコペコで死にちょうだよ〜」

「ごめんね〜彰ちゃん。夕御飯は早く持ってくるから許してね」

「も〜、頼んだよ〜!!」

デブは朝、昼、晩と3食バナナだけを食べて生活しているようだ。

読み取った全ての記憶をまとめると、こいつの名前は日野彰、歳は40で当然独身。

幼少の頃からデブと差別され、小・中と通してろくな学校生活を送っていなかった。

高校に取り合えず入学はするものの、3ヶ月ほどで中退。それからは家で20年以上もひきこもり続ける。

精神的ストレスが自分への苛立ちとなって募り、幼い頃から癖だった現実逃避により磨きがかかったようだ。

見るもの、感じるもの、自分の良い様に置き換えて、つい先ほども電気を止められているなど思い込んでいたようだ。

思いっきり明るい電球つけといて、電気を止められてるとはどういう了見だこのデブ。

父親が精神病院に連れて行くも回復のメドは経たず、2年ほど前から自立を願い一人暮らしさせる。

その願いも虚しく、好物のバナナに貪りついては、窓から外の景色を一日中眺めているだけの生活を送るだけみたいだがな。

景色を眺めては溜息をつき、外に飛び出したい、トリのように大空を自由に飛びまわりたいという強い憧れを持つようだ。

そんな時、偶然空を駆ける私の姿を目撃し、空の飛び方を聞き出そうと思い立ち、今夜にまた出会える事を信じて熟睡し現在に至るか。

勝手に思い込まれても困るが、あのままホウキを追ってたら今夜現れる事はなかっただろう。

デブだからというわけじゃないが、空を飛びたいという思う気持ちは人一倍あるのかもしれない。

狭くて暗い部屋の中に何十年も閉じこもっていれば尚そう思うだろう。

この記憶を踏まれて考えれば、デブがトリに姿を変えた理由も分かる気がする。

要は、このデブはひきこもりで現実逃避している弱い人間、優しく包み込んであげれるようなお姉さん役を演じてやるのが一番だな。

デブ好みの人物像を掴んだ私は魔法を解いて、目を開けた。

 

目を開けてもそこはまだ闇だった。

それに体のあちこちにに何かを乗せられているような違和感を感じる。

手に、足に、頭に何かを乗せられて……。

ベトベトしてヘタの様なものがついてて、妙に甘ったるい。

バナナ? これはバナナの皮か。

「クエ〜〜〜〜〜!!」

「えっ、あんっ」

なんだ、股間に何か当たった。

細くて固くて、それでいて鋭い何か。

私の秘部の辺りに何度も触れてくる。

「クエ〜〜〜〜〜!!」

「あっ、うっ!」

まさかこのデブ、クチバシで私のあそこに触れてるのか。

手で眼前のバナナの皮を払い落すと、視界の中に片足で立つピンク色のトリが入った。

足の指がしっかり床に食い込まれ、片足でもまったくふらつく事がない。

それでいてなんて優雅なんだ。綺麗なトリ、動物園に遊びに行ったとき一度見た事がある。

確かこのトリ、フラミンゴという名前だったはずだ。

「クエ〜〜〜〜〜!!」

「あんっ!! おい、やめろ。気安く触るんじゃない」

くっ、魔法が解けたから何喋ってるのかさっぱり分かんない。

それに、いつの間にかマント脱がされて全裸になってるし、全身にバナナの皮乗せられちゃってるし。

目を閉じてる間に体を弄ばれたというのか、想像するだけで寒気がする。

魔法をかけなおして早く落ち着かせなきゃ。

「アルダイラ〜チルタイラ〜。うっ!」

「クエ〜〜〜〜〜!!」

「ちょっ、やめっ。あっ!」

「クエ〜〜〜〜〜!!」

「お願い、やめて、詠唱ができない。あんっ!」

デブは首を低くし、私の秘部の中に肉棒という名のクチバシを突っ込んだ。

魔女である私がこんなトリに、いや、こんなデブ如きにこのような苦汁を。

うんっ、ああっ。やめてくれ、そんな事されたら、魔法が使えないじゃないか……。

抵抗しようと体を揺り動かしても、クチバシが膣の壁に触れてしまう。

それが生み出す快感の波、いや、痛みに耐え切れないから無闇に動けない。

手で無理やりクチバシを抜こうと思っても、それもできない。

体の力が、腰が抜けてしまってる。

「あっ! やめてくれ、私がお前に何をしたって言うんだ」

「クエ〜〜〜〜!!」

「やめて、魔女は誇り高いんだ。お前のような奴に、ううっ!!」

「クエエ〜〜〜!!」

「あっ、あああ! やめて、いたい、いたい!!」

愛液に満たされたクチバシを秘部から抜き、勃起したクリをつまんだ。

とがったクチバシの先端が私のクリに当たって、いたい、いたい。

鋭利な先端がクリを裂き、血が滲み出てくる。

「あっ! やめて! あっ、ああああ!!」

「クエ〜〜〜〜!!」

秘部と垂直になるように首を横に伸ばし、再び小陰唇の扉を破り私の中へ突き進む。

傷ついた膣の壁から滲む私の血液と愛液が入り混じり、イチゴミルク状にクチバシを染めていく。

勿論、中の様子なんて見えてないけど、あっ、うんっ。あそこが痛いし、そんな感じかも。

いつしか体が熱く火照ってしまい、全身から汗が肢体の曲線を伝い床へと零れ落ちていた。

乳房からも、顔からも、気持ち良くなんかないのに、汗が滲みでてくる。

私は脱力した両腕をだらんと床に落とし、ついばまれ開発されていく秘部の様に屈辱を覚えた。

頬を紅潮させ、漏れそうな喘ぎ声を堪えもした。

「うっ、くう……、あっ!」

それでも押し寄せてくる刺激の波に堪える事ができず声が漏れる。

拳を握りしめて、快感とも呼べる痛みに堪えながらも体はどんどん熱くなって。

あっ、まずい。うっ、あっ、ああっ。

「ひっ、もうやめて。お願いだから……」

「……」

やっぱり、私の言葉は通じないのかな。

こんな事トリにされるの初めて、父さんに一度されたっきりだ。

まだ経験浅いから、父さんと一緒に徐々に慣らしていこうなって約束したのに。

父さん以外の男と絶対にしないって約束したのに。

それなのにトリなんかに、ひきこもりの醜いデブなんかにこんな事を。

デブは片足で私の腹部を押し倒し、仰向けになった秘部目掛けクチバシを振り下ろした。

「ぐうっ、あっ! あああああ!!」

ひぐ、膣の中で暴れられる快感に、大きな声が漏れてしまう。

いや、快感なんかじゃない、これは痛み。私のプライドをも傷つける痛みだ。

擦れて気持ちいいなんて思うはずがない。

私が下唇を噛んで秘部から目を逸らすと、目の端に無数の光の球が浮遊している姿を捉えた。

慌ててかえりみると、デブの体から光の球が放出され、フラミンゴと化していたデブが姿を変えていく。

どうやら魔法が解けてしまったようだ。美しかったトリはその形を変え、完全に元のデブに戻った。

だが、クチバシが突っ込まれていたはずの秘部の中には、デブの本物の肉棒が突っ込まれたままになっている。

デブは不気味に微笑みかけ、私の足を掴んで腰を振りはじめた……。

「あっ、いや! デブに犯されるのはもっといやあ!!」

「あは、温かくて気持ちいいや〜」

「やめて! そんな汚物いれないでよ!!」

「あははは、気持ちいい〜」

「ううっ、やめろお!!」

デブはたるんだ腹を擦り付けるように密着させ、腰を揺り動かして奥へ奥へと肉棒を押し進める。

クチバシとは違う本物の肉棒は温かく、先端が子宮に触れても痛みは少ない。

でも、こんな醜いデブにレイプされている屈辱はクチバシを入れられた時よりも2倍も3倍も強い。

魔法を使えないだけなのに、私は誇り高い魔女なのに、ひきこもりのデブ一人に何一つ抵抗できない。

私は凛とした顔でデブを睨みつけ、辱めに耐え切れず涙を垂れ流した。

デブは絶頂を迎えるまで腰を振り続け、薄汚い汁を全て私の中に注ぎ込んだ。

デブは息を切らせて汁にまみれた肉棒を抜き、私はバナナの皮で秘部から溢れ出る醜い汁を拭き取った。

お互い一言も言葉を交わさぬまま、重い沈黙だけがつづいていた。

「はあ、はあ。くそお、こんなデブにやられるなんて……」

「ご、ごめん。いつの間にか体がトリに変わってたからびっくりしてたんだ。気持ちを落ち着けようと必死になってたらオナニーしたくなっちゃってさ。でも、トリってどうやってオナニーしていいか分かんないじゃないか。だから、仕方なく君の体で性欲を満たそうと思ってさ……。あっ、もしかして昨日空を飛んでたのって君かな? もしそうだったら、僕に空の飛び方教えてよ!! 僕トリみたいに大空を自由に飛んでみたいんだ!!」

「都合よく話を逸らすなよ! もういいだろ? お前はトリに変わっても空より肉を求めたんだ。本当は空なんてどうでも良かったんだよ」

「そ、そんなことない!! 怒ってるなら謝るからさあ。お願いだから僕に空の飛び方をおちえてよお〜」

「救われないよデブ。シルカッタ〜イルカッタ〜ネリルルハ〜」

「えっ、なに?」

「バナナだよ」

デブの気持ちに答えてやる気力も優しさももうなかった。

バナナを粗末に扱ったぐらいでトリに変えたのは大人気なかったのかもしれない。

けど、私はお姉さん役を演じて穏便に解決していこうと努力した。

それなのに、このデブは私の体を弄び、あまつさえ己の肉棒でレイプするなどという愚公に出た。

天才魔女の私がわざわざ引きこもりのブタの相手をしてやろうと思ったのに、残念だ。

私が唱えた魔法は対象者を違う物質へと誘う効果を持つ。

トリに変えた魔法より高度な物。私がイメージする物に変化する魔法だ。

 

魔法の詠唱を終えた頃には、部屋の真ん中に一房のバナナが淋しく佇んでいた。

腕に力を込め直し、手を伸ばして房から一本引きちぎり、首をへし折って黄色い皮を裂いた。

「ああああああ!!」

そんな悲鳴が聞こえてきそう。私は無邪気に含み笑い、皮を裂いてあらわになった白い肉を一度舐めた。

長い髪を耳にかけて、肉を優しく包み込むように咥え込んだ。

舌で削り落された肉は、食道の中へと流れて甘くて美味い。

「お前、結構おいしいな」

駄目なデブにも私の魔力の一部となる使い道がある。私に残された良心ができる精一杯の優しさだった。

私がバナナを胃の中に収めた頃には、窓から朝の光が射し込んでいた。

新しいバナナも補給できたし、そろそろホウキを追うか。

脱がされたマントを羽織り、両腕を天にかざして魔法を唱える。

「空を駆けれるようになれ!!」

……えっ? 何この詠唱?

空を駆ける魔法は、魔女語で空を駆けると唱えれば発動される物ではある。

しかし、これじゃあまるで人間が喋る言葉じゃないか。なぜ天才の私がこんな初歩的なミスを。

魔女語? 魔女語ってなんだったっけ。

あれ、おかしいな。何だか混乱してきたぞ。天才の私が魔法を忘れるなんてありえない。

まさか、あんなデブに犯されたりしたから父さんが、約束を破ったから父さんがかけた魔法が発動したのか。

あれは確か2年前……。

『いいかいリンコ。父さん以外の男と絶対にセックスしちゃ駄目だよ』

『うん、リンコお父さん以外の人と絶対しないよお。リンコお父さんだいしゅき〜』

『ほんとかな〜? 一生お父さん以外の人としないって約束できるのかなあ!!』

『う、うん。絶対に一生しないよ』

『よ〜し、いい子だ。お前は私の一人娘なんだあ。絶対にするんじゃないぞお……』

『お、お父さん、怒ってるの? リンコちょっと怖いよお』

『バルトロラ〜バルドロラ〜キルルルルハ〜、ギオシンクンマイヘボリンタ』

『えっ、何その魔法? お父さん私になにかけたのお』

『はは、気にするな。約束を破らない為のおまじないみたいなもんさ」

父さんはあの時確かに魔法をかけていた。とても高度な魔法で何の魔法か良く分からなかった。

父さんの事を愛してたし、心から信用してたから大して気にも留めてなかった。

あは、でも父さんは私の事を信用してなかったのかな。

誰かに犯されるって、父さん以外の誰かとしちゃうって分かってたのかなあ。

何だか、誰にも会いたくないよお、ずっと部屋に篭って一人になりたい気分だよお。

怖い、怖い、人が怖いよお。どうして僕をいじめるの? どうしてみんな僕をデブって呼ぶの。

僕太ってなんかないよ。僕はみんなと同じ人間だよお。

違う、私は魔女だ、魔女だ。違う、デブなんかじゃない。私は天才で、誇り高い魔女なんだ。

あは、ママ早くきてくれないかなあ〜。僕おなかちゅいたよお〜。バナナ食べたいよお〜。

違う、私は魔女……。あはあ、僕はデブだあ。どうせみんなに嫌われてるデブだよ〜ん。ママだけが僕の味方してくれるのお。

ママ大好き〜、だいしゅき〜。バナナ〜。早くおいちいバナナ食べちゃちてよ〜。

僕は、ママだけをあいちているの〜。

日が昇りきったのか、窓から強い光が射し込めてきた。

「彰ちゃん、遅れてごめんね!! ほら、今日もバナナ買ってきてあげたわよお〜」

「あは、ありがと〜ママ〜。ママだいちゅき。あいちてる〜」

「いい子ねえ彰ちゃん。彰ちゃんはず〜っとママだけの物だからね」

「うん、僕はママの物〜。ママだいちゅきい〜」

僕はママにバナナを食べさせて貰った。

綺麗に皮をむいて貰い、身を細かくちぎってあ〜んして僕の口に入れてくれた。

ママは僕を置いて家に帰っちゃったけど、お詫びにキスをしてくれたから淋しくても我慢できる。

それに、今日はなんだかとっても爽やかなんだ。いつもはイライラしてるんだけどおかしいなあ。

空を飛びたいっていつも思ってたのに、今は少しも飛びたいなんて思わない。

あは、何だか気分良いや。

いつものように窓から外を眺めていると、空の上にホウキがグルグル回っているのが見えた。

 

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